湯煙コラム

■川島なお美
「私のほろ酔い風呂」


川島なお美

「もし、老朽化してしまった自宅のお風呂が一ケ所だけ新しい物に交換可能なら、貴方はどこを直しますか?

1 バスタブ2 タイル3 窓4 給湯設備」

これはあるTV番組で出題された心理テストである。

なんでも隠れているH度を知ることができるらしい。

どうしてお風呂の改築からHの深層心理が……?と、いささか眉ツバだったが、意外な結果が出て私は赤面してしまった。


まずバスタブを新しくしたいと答えた人は最も健全らしい。

あまり表面には出さないが陰ではちゃんとする事してる、平たくいえばありきたりの H な人。

タイルと答えた人は大変なムッツリ助平、バスルームの窓を大きくしたい人はアグレッシブな明るい H 、私はといえば、バスタブやタイルは自分で掃除すればいい、やはり元から新しく綺麗にするのが一番と思い、迷う事なく 4 を選んだ。

そしてその 4 と答えた人は… 超 H! 頭の中はその事で一杯というのだ。


大変名誉な結果である。

女優なんて皆 H だ!と開き直ったりして。

でももっと他に言い表し方はあるでしょ。

セクシーな思考回路を持っている、とか、お風呂に入ると増々セクシー度が高まるタイプ、とか…… 少々古くなってきたマンションのバスタブに浸かりながら、そんな事を思い出していた。



冷え症の私は昔、日本酒風呂に凝った時期があった。

あの麹が美肌作りに役立つのだろうか、心持ちお肌がツヤやかになったような気がしてた。


最近では、一人で飲みきれなかったワインをバスタブにとぽとぽと注ぎ、そのブーケを楽しんだりもしている。

ボジョレイ・ヌーヴォーなんて早飲みのものは、ずっと寝かせておいてもしかたがない。

従って秋冬のわが家のお風呂は新種の葡萄の香りで満たされる。

しっとりする日本酒風呂と違って、ワイン風呂はお肌をさっぱりサラサラの感触にしてくれる。


“シャンパーニュで手や顔を洗うと美白効果が得られるのよ”と某スチュワーデスの方に教えていただいた事もあった。

なんとも贅沢な……。

私なら顔洗うつもりが口元で思わずゴックンなんてやりかねない。


どうせなら、ルイロデレール・クリスタル、ブリュットのナビュコドノゾール(普通の20倍)の液体を沸かして、100%のシャンパーニュ風呂にして入ってみたい。

宇宙いちゴージャスな泡風呂になるに違いない。



ところで私がお風呂の中で「ひょっとして私って幸せ者?」と気づくのは、別荘に行った時に限る。

ジャグジー、サウナ、床暖房の入るイタリアン大理石、森の小動物たちが遊びに来る庭を臨む大きな窓…… このお風呂に入りたくなると、深夜でも車をとばして出かけてしまう。

いざとなったらここがあるから、東京の狭いお風呂もなんとか我慢できるのだ。


ワインがなくてもいい気持ち。

この森の中のバスタイムが、私の一番のリフレッシュ&ストレス解消法かもしれない。

(文:川島なお美)

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