湯煙コラム


■汐見ゆかり
「お風呂は癒しの空間」


汐見ゆかり

お風呂と聞いて、真っ先に思い出すのは家族のこと。

仕事でクタクタに疲れたときは、まず岡山県の実家に戻ります。

上京したての頃は、まさに「水があわない」状態に加え、一人暮らしの生活や仕事でたくさんの化粧品を使う事で、よく肌が荒れていたのですが、実家のお風呂にゆっくり入ったりすると、数日でもと通りになっていました。

帰る度に、母は祖母と私を連れて、車を飛ばして温泉に行ってくれます。

3代そろって温泉につかっていると、とてもリラックス出来ます。


いまとなれば笑い話なのですが、お風呂と聞くとすぐにそのエピソードがでるくらい、私のなかでは記憶に残っている家族の出来事があります。


まだ私が10代だった頃、父に「居候のくせに、いちばん最初に風呂に入るな」って叱られたことがあるんです。

父は冗談で言っただけの言葉でしたが、私には「早く自立しなくてはいけない、いつまでも家にいてはいけない」という気持ちがあったので、その一言にすごく傷ついて、プチ家出をしました(笑)。

帰宅後、モデルのお仕事を本格的に始めたし、最近では女優としてのお仕事もスタートさせる事ができました。

今となってみれば、それが自立するきっかけになった出来事だったかもしれません。

そういうことが絡み合って、お風呂と家族のイメージがつながっているのだと思います。


だから私にとって、お風呂=家族の思い出。

楽しいことも、少し苦い経験も、家族と一緒に暮らしていた証なので、大切にしたいと思います。


普段のお風呂タイムでは、美容のために、お塩を大量に入れて入浴しています。

大さじ5杯くらいの荒塩をポチャンッと入れると、汗をかきやすくなります。

時間があるときは、そのまま1時間くらいお風呂に入っています。

たくさん汗をかけば、肌もつるつるになりますよ!
お塩だけだと寂しいので、入浴剤で香りや色をつけたり、アロマオイルを入れたりして変化も楽しんでいます。


数年前にバリに旅行したとき、泊まったお部屋にたくさんの花びらを浮かせたフラワーバスがありました。

アロマオイルの香りがいっぱいに広がっていて、キャンドルがライト代わりになり、とてもリラックスした時間を過ごす事ができる空間でした。

雰囲気をつくることで、リラックスしたり心をリセットできることを知り、バスタイムに興味を持つようになりました。

そこで使用されていたアロマオイルを購入し、自宅でもキャンドルやアロマを焚いて、雰囲気を楽しんでいます。

長くお風呂に入るコツは、本やノートを持ち込む事です。

読んだり書いたりしていると、1時間なんてすぐです!
つまらないと感じるものだと、逆に長く感じるので気を付けて下さい。

私の場合、お風呂の換気がとても良いので、たまにノートパソコンを持ち込んで、DVDを観たりしています(みなさんは真似しないでくださいね)。

あまり怖くないもの(いろんな意味で)を選んで、バスタイムを過ごしています。


女優業を始めて1年。

モデルのときに必要だった停止する筋肉と、お芝居で必要な動く筋肉では、使う箇所がまったく違うので、疲れ方も変わってきました。

ちょっとしたアクションシーンの撮影の後でも、身体があり得ないくらいパキパキになるので、そういうときもやっぱり、お風呂を利用しています。

近場でも一人でも温泉に行って、ほっとひと息つくと、身体だけではなく、精神的にも落ち着きます。


なので、私にとってのお風呂をひとことで表すと、‘癒し’です。

家族との思い出をつくってくれたり、仕事の疲れを取り去ってくれる、大切な空間です!

文/汐見ゆかり(しおみゆかり)

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