東京風呂日和


Vol7.浅草エリア「蛇骨湯(1)」

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蛇なのに骨があるとは、これ如何に?

その神秘的な名前を持つ銭湯は、すぐに見つかった。


なぜなら浅草ROXを何気なく見上げると、ほど近くに『蛇骨湯』と記されたビルが見えたからである。


なんだぁ、ビルかぁ……いささか気落ちしつつも、ビルの場所を頼りにいこうとしたが、なぜか辿りつかない。

あれ?あれ?と首をかしげながら、何度も同じ場所をぐるぐると回ってしまっている。

ひょっとして、蛇のたたりだったりして……そんなバカなことを考えていると、ようやく小さく書かれた『蛇骨湯→』の看板を発見。

有名な銭湯なのに、看板は極めて控えめなのがグッとくる。

また繁華街の細い路地を入っていくところも隠れ家っぽくていい。


「いらっしゃ〜い」と迎えてくれた女将さんも、いかにも下町といった、気さくなあったかい感じの方だった。


「由来はねぇ、江戸時代、この一角に『蛇骨長屋』と呼ばれる職人さんの長屋があって、そこに銭湯をつくったのがはじまりみたいなんですよ。

ただ歴史が古すぎて、資料もなにも残ってないんですよねぇ」
関東大震災、東京大空襲と経て、生き残った銭湯は、8年前、改装の際に温泉が沸き出し、今では界隈の人々はもちろん、観光客や外国人にも親しまれている。

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